#表引き(<ファイル名>, <条件式>, <値式>[, <索引名>, <失敗値式>])

他表あるいは自表から条件を満たすレコードを探し，そのレコードの内容を取り出します。この関数は，集計式，ビュー結合条件式で使うことはできません。

構文

#表引き(<ファイル名>, <条件式>, <値式>[, <索引名>, <失敗値式>])

#LOOKUP(<ファイル名>, <条件式>, <値式>[, <索引名>, <失敗値式>])

引数

<ファイル名>

表引きをしたい表のファイル名を指定します。ビューファイル，カードファイルは指定できません。ファイル名に拡張子が指定されても無視され，常に .dpt とみなされます。
初期値式や置換式などの単一式中では，文字列定数のみが指定できます。DPL 中では任意の文字列式またはカーソルを指定できます。カーソルのとき，それが選択表や集計表ならばその表から表引きされます。
<ファイル名> を省略すると自表とみなされます。自表引きに関する注意事項は後述します。DPL 中では省略できません。

<条件式>

レコードを探すための条件式を指定します。式中では <ファイル名> に含まれる項目を参照することができます。

<値式>

<条件式> が真のとき，そのレコードから結果を求めるための式を指定します。式中では <ファイル名> に含まれる項目を参照することができます。

<索引名>

表引きのときに使用する索引名を指定します。<ファイル名> にすでに定義されている索引でなければなりません。省略したときは，<条件式> から適当に使用できそうな索引を探して使用しますが，適当な索引が見つからなければ索引を使用しないで表引きをします。

<失敗値式>

<条件式> を満たすレコードが一つもないときに採用する結果を求めるための式を指定します。<ファイル名> に含まれる項目を参照することはできません。

例

商品のコードから商品名を参照する場合は，次のように指定します。

[商品名] := #表引き('SCODE', SCODE.[コード]=[コード], SCODE.[商品名], 'コード順')

解説

• <ファイル名> で指定された表から <条件式> を満たすレコードを探します。DPL 中では，このファイルはオープンされていなければなりません。
• <条件式>，<値式> では，指定された <ファイル名> に含まれる項目を参照することができます。このとき，項目参照を FILE.[A] のように書かずに，.[A] と省略することができます。
• レコード数が多い表を引こうとするときは，索引のありなしによって処理速度が著しく異なります。また，索引が適当かどうかによっても処理速度が異なります。<索引名> が省略されたときは，何か使える索引がないか自動的に探しますが，見つからないことや，最適でない索引が採用されることがあります。このため，<索引名> はよほどのことがない限り指定するようにしてください。たとえば，表 X.DPT に対して次のような <条件式> で表引きをしようとします。

  X.[A] > 100 AND #部分一致(X.[B], 'XYZ*')

  この場合，<索引名> が指定されていないと X.[A] による索引がないか探し，もしあればその索引を採用します。ところが，X.[A] > 100 を満たすレコードよりも #部分一致(X.[B], 'XYZ*') を満たすレコードの方が少ないことが分かっているときは，式を

  #部分一致(X.[B], 'XYZ*') AND X.[A] > 100

  のようにして，先により少ないレコードに絞り込ませると効果的です。このとき X.[B] による文字符号順の索引があればそれが採用されます。
• DPL で，選択表や集計表などから表引きするときは索引を使うことができないので注意してください。
• 自身の表を引かせることも可能ですが，若干の制限があります。すでにある表の再定義を行なって，表の再構成が起こったとき，再構成中は自身の表が確定していませんから表引きすることができません。したがって，計算項目や検査条件に書かれている自表引きの結果は常に <失敗値式> の値またはナルとなります。計算項目は表の再構成が終わった後に再計算させれば正しい結果を得ることができますが，検査条件では再構成中に検査条件違反の起こる可能性があります。そのようなときは再構成ができないので，検査条件から自表引きを取り除いたり，#再構成中か と組み合わせて次のようにしなければなりません。

  #表引き(, .[X]='ABC', .[Y], '索引', #IF(#再構成中か, 1, NULL))

戻り値

• <ファイル名> で指定した表のレコードに対して <条件式> を適用し，その評価結果が真となる最初のレコードに対して <値式> を適用してその結果を返します。<索引名> が指定されている場合，または適当な索引が採用されている場合は，その順序でレコードが探されます。どのレコードに対しても <条件式> が真とならない場合は <失敗値式> の評価結果を返します。<失敗値式> が指定されていない場合はナルを返します。

関連項目

#対話表引き

#再構成中か