FORステートメント

単純繰返し実行の構造を定義します。

形式

例

構造	コマンド	パラメータ
	代入	$TOTAL := 0
	カーソル移動	@ZAIKO, レコード数=0, 開始位置=先頭
FOR $CNT FROM 1 TO 100 STEP 1 DO	カーソル移動	@ZAIKO, レコード数=1, 開始位置=現在位置
	代入	$TOTAL := $TOTAL + @ZAIKO.[数量]
ENDFOR

解説

• FORステートメントは，カウンタを用いた単純な繰返し処理を記述するときに使用します。より複雑な条件判定による繰返し処理は WHILEステートメントや REPEATステートメントで行ないます。
• FORステートメントは，<変数名> で与えられた変数を制御用に用いて，<始値式> から <終値式> まで，<刻み値式> ずつ値を増加あるいは減少しながら <ブロック> を実行します。TO なら値を増加させ，DOWNTO なら減少させます。制御用の変数は <ブロック> 中で自由に参照できます。値を変更しても構いません。
• <始値式>，<終値式>，<刻み値式> のデータ型の組合わせは，始値に対して刻み値を加算（連結）でき，その結果が始値と同じ型になり，かつ始値のデータ型が終値と比較可能でなければなりません。そのようなデータ型の組合わせは次のとおりです。

  始値	終値	刻み値
  算術型	算術型	算術型
  日付型	日付型	年月間隔型
  日付型	日付型	日時間隔型
  時刻型	時刻型	日時間隔型
  年月間隔型	年月間隔型	年月間隔型
  日時間隔型	日時間隔型	日時間隔型
  文字列型	文字列型	文字列型
  ポインタ型	ポインタ型	算術型

• <始値式>，<終値式>，<刻み値式> は，繰返しが始まる前に１回だけ評価されて，以降その値が用いられます。
• <始値式> を省略したときは数値のゼロとみなされます。したがって，このとき <終値式> に日付型や時刻型などの上の表で認められていないデータ型の式を与えることはできません。
• <終値式> を省略したときは，繰返しは無限に行なわれます。このとき刻み値は変数に加算または減算されていきます。この繰返しから脱出するには，EXITLOOPステートメント，GOTOステートメント，RETURNステートメントなどを利用します。
• <刻み値式> を省略したときは数値の 1 とみなされます。したがって，このとき <始値式> に日付型や時刻型などの上の表で認められていないデータ型の式を与えることはできません。
• 次の FORステートメント，

  FOR $変数 FROM <始値式> TO <終値式> STEP <刻み値式> DO

  <ブロック>

  ENDFOR

  は，次のように書いたのと同じ動きをします。

  $変数 := <始値式>

  $終値 := <終値式>

  $刻み値 := <刻み値式>

  LABEL_LOOP:

  <ブロック>

  LABEL_NEXT_LOOP:

  $変数 := $変数 + $刻み値

  IF $変数 <= $終値 THEN

  GOTO LABEL_LOOP

  ENDIF

  LABEL_EXIT_LOOP:

• 繰返しの中で NEXTLOOPステートメントを実行すると，その回の繰返しを終了して次の繰返しを実行します。実際には，上図の LABEL_NEXT_LOOP の位置に制御が移ります。
• 繰返しの中で EXITLOOPステートメントを実行すると，繰返しを終了して上図の LABEL_EXIT_LOOP の位置に制御が移ります。
• DOWNTO を用いた次のFORステートメント，

  FOR $変数 FROM <始値式> DOWNTO <終値式> STEP <刻み値式> DO

  <ブロック>

  ENDFOR

  は，次のように書いたのと同じ動きをします。

  $変数 := <始値式>

  $終値 := <終値式>

  $刻み値 := <刻み値式>

  LABEL_LOOP:

  <ブロック>

  LABEL_NEXT_LOOP:

  $変数 := $変数 - $刻み値

  IF $変数 >= $終値 THEN

  GOTO LABEL_LOOP

  ENDIF

  LABEL_EXIT_LOOP:

• FORステートメントから <変数名> を省略することができます。そのような FORステートメント，

  FOR DO

  <ブロック>

  ENDFOR

  は，次のようなただの繰返しになります。繰返しから脱出するには EXITLOOPステートメント などを利用します。

  LABEL_NEXT_LOOP:

  <ブロック>

  GOTO LABEL_NEXT_LOOP

  LABEL_EXIT_LOOP:

• GOTOステートメントによって FORステートメントの外から FORステートメントの繰返しの中へ分岐することはできません。逆に，FORステートメント中から外へ分岐することはできます。

関連項目

WHILEステートメント

REPEATステートメント

NEXTLOOPステートメント

EXITLOOPステートメント

GOTOステートメント

DPLの構文