LOCALステートメント／GLOBALステートメント
（変数宣言ステートメント）

DPLプログラム中で使う変数を宣言します。

形式

例

構造	コマンド	パラメータ
	LOCAL	$A, $C
	GLOBAL	$X, @FILE

解説

• 一つのステートメントに，使用する変数の名前をコンマで区切っていくつでも指定できます。<変数名> は，<通常識別子> の前にドル記号 $ または単価記号 @ を付けて構成します。@ で始まる変数はカーソルを示します。<通常識別子> は，英字，仮名，漢字，下線，数字で構成します。ただし，先頭が数字であってはいけません。<変数名> として用いられる <通常識別子> 中の全角／半角，大文字／小文字などは区別されません。
• $ で始まる通常の <変数名> と，@ で始まる <カーソル名> は，それらの <通常識別子> 部分が同じであっても異なる変数として扱われます。
• LOCALステートメントは，局所的な変数を宣言します。すなわち，LOCALステートメントで指定した変数は，その宣言ステートメントと同じ <ブロック>（手続き，IF，WHILE，SWITCH などで実行される一連の <ステートメント> の集まり）の中だけで有効なローカル変数になり，<ブロック> の実行が終了すると，それらの変数は消滅します。
  DPLで大きなアプリケーションプログラムを書くときは，一つの <ブロック> だけで使う作業用変数は，ローカル宣言することをお勧めします。
• GLOBALステートメントは，大域的な変数を宣言します。すなわち，GLOBALステートメントに <変数名> を書くと，DBPro全体から参照可能なグローバル変数が生成され，グローバル宣言した <ブロック> 中の <変数名> はその変数を指します。すでに存在するグローバル変数と同じ名前の変数を GLOBALステートメントで宣言すると，<変数名> は既存の変数と同じ実体を指します。グローバル変数は，DBProが起動されて以降に初めてその変数が宣言された時点から，DBProが終了するまで存在します。グローバル宣言した <ブロック> が終了して <ブロック> の外側に出ると，（外側でもグローバル宣言していない限り）同じ <変数名> がローカル変数を指すようになります。
  二つ以上に分割されたDPLファイルで同じ変数を参照するためには，その変数をグローバル宣言します。
• 以上の関係を示すと次のようになります。

  構造	コマンド	パラメータ
  	…		ファイルローカルな範囲
  	代入	$A:=1
  	…
  	CALL	PROC1
  	…
  PROCEDURE PROC DO	GLOBAL	$A	DBPro全体で共通な範囲
  	…
  	代入	$A:=2
  	…
  FOR DO	LOCAL	$A	FOR繰返し中だけで有効
  	…
  	代入	$A:=3
  	…
  ENDFOR
  	…		DBPro全体で共通
  ENDPROC

• 同じ名前の変数を違う目的のために使って衝突が起こる危険がなければ，変数は宣言しないで使うことができます。DPL作成中に必要が生じた時点で，他の場所で使っている <変数名> と重複しないことだけに注意して自由に <変数名> を書いてください。このようにして書かれた <変数名> は，そのDPLファイル中だけで有効なローカル変数を指し，同じ <変数名> は（下位の <ブロック> で同名の変数を宣言しているところを除いて）同じ変数を指します。そのDPLの実行が終了すると，これらの変数は消滅します。
• 一つの <ブロック> 内で同じ名前の変数を２回以上宣言してはいけません。また，手続きの <仮引数> はローカル変数として手続きブロックを有効範囲にもつので， <仮引数> と同じ名前の変数を手続きの先頭でローカル宣言することはできません。次の例はエラーです。
  

  PROCEDURE MYPROC($i) DO
  LOCAL $i	← エラー
  …
  ENDPROCEDURE

• 変数の宣言は <ブロック> の先頭で行なうようにしてください。厳密には，変数は宣言された時点から <ブロック> の終了まで有効なので，<ブロック> の途中で宣言すると宣言以前に書かれた変数と宣言以後の変数が別の実体を指すことになります。宣言せずに使われた変数はファイルの先頭でローカル宣言されたのと同じ扱いになるので，ファイルの先頭に次のように書かれているとエラーになります。
  

  代入 $X := 1
  LOCAL $X	← エラー
  …
  オープン @F, 'FILE.DPT'
  LOCAL @F	← エラー

• 一つのワークステーションで異なるDPLアプリケーションを動かす場合，それらのアプリケーション間でグローバル変数の名前が衝突しないようにする注意が必要です。まったく別の場所，別の作成者によって作られたアプリケーションは，厳密に衝突を避けることは不可能なので，そのようなアプリケーションを同時に動かすことは避けた方がよいでしょう。もし同時に動かす場合には，グローバル変数の名前が衝突していないことを確認してください。また，そのように不特定多数に配布するアプリケーションを作成する方は，次の例のようにグローバル変数の先頭には常にアプリケーションの名前を付けたり，長い名前にしたりなどして，衝突の可能性を減らすように配慮してください。
  

  GLOBAL $DBPro_global0001_file_name

• 未使用状態の変数，カーソル変数はナルに設定されています。組込み関数 #ナルか でカーソル変数にファイルが割り当てられているかどうかを判定できます。また，次のようにカーソルにナルを代入すると，そのカーソルを強制的に未使用状態にすることができます。
  

  代入 @CUR := NULL

• 対話編集で表編集ウィンドウなどをクローズしてしまった場合，その表に関連付けられていたすべてのカーソルは未使用状態に戻されてしまいます。そのままの状態でそのカーソルを使用してレコードを操作することはできません。また，レコード削除をした場合は，そのレコードを指していたカーソルは，別の適当なレコードを指すように調整されます。
• 変数宣言ステートメント自身は，DPLの実行に何の影響も与えません。DPLの実行が変数宣言ステートメントに到達すると，何もせずに次のステートメントから実行を続けます。

関連項目

変数

DPLの構文