ネットワークでの利用
DBPro では，ネットワークのサーバ上にあるデータベースを複数の利用者で同時に操作したり，他の利用者に変更されないように専有して操作することができます。
ネットワークでの利用においては，データを複数の利用者が同時使用することが話題の中心ですが，DBPro のシステムプログラムをサーバ上に置いて複数のパソコンから共通に利用することもできます。
DBPro のインストール
- 注：
- データベースを同時使用するためには DBPro Multiuser が必要です。DBPro Standard をご利用の場合，同時使用することはできません。
ネットワーク上のファイルを複数の利用者が同時に開くことを「同時使用する」と言います。これに対し，一人の利用者が他の人が使えないようにして開くことを「専有する」と言います。
- ファイルを同時使用するためにはファイルを開くダイアログで「同時使用」を選びます。同時使用中のファイルは複数の利用者が同時に更新したり，他の利用者が更新した内容を直ちに参照したりすることができます。
- 注：
- ファイルを同時使用するためには，ご利用の DBPro で正しく利用者管理が行なわれている必要があります。利用者管理の状態については，データベース管理者に問い合わせるか，「利用者管理と権限」を参照してください。
- 同時使用を指定しないで開いたファイルは，その利用者に専有され，他の利用者によって変更されないように保護されます。
- 表ファイルを同時使用でしか開けなくしたり，専有でしか開けなくすることができます。表属性ダイアログ
- 同時使用しているときは，DBPro のシステムによって自動的に「排他制御」が行なわれます。排他制御とは，
- 同じレコードが異なる利用者によって同時に更新されないようにしたり，
- 誰かが表全体に対する一括処理を行なっているときは他の人の更新操作を一切禁止したり
します。排他制御されることによって，データベースに意図しない変更が加わることを防ぎ，矛盾が生じないように保たれています。
- 利用者が排他制御を特に意識する必要はありません。対話操作中であれ，DPLプログラムの実行中であれ，排他制御はすべてシステムが自動的に行ないます。利用者が行なうべきことは，ファイルを開くときに同時使用する旨を宣言するだけです。
ただし，排他制御を矛盾なく行なうために同時使用中には幾つかの機能制限があります。同時使用中の機能制限
- 備考
- DBPro V3 では排他制御のためにロックファイルと呼ばれる作業用ファイルが作成され，同時使用中にシステムダウンなどがあった場合にはロックファイルが残り，元のフィルが開けなくなることがありました。V4 では排他制御にロックファイルを使うことはなくなったので，ロックファイルが残ってしまうこともなくなりました。
- ある利用者が表ファイルに加えた変更は，別の利用者の画面に次のタイミングで反映されます。
表ファイルを同時使用しようとする場合，次の制限があります。
- すでに誰かが専有で開いている表ファイルは開けません。
すでに誰かが同時使用で開いている表ファイルは，同時使用でのみ開けます。
インストールされている DBPro Multiuser のライセンス数を超えた台数からの同時使用はできません。
- 二人以上の利用者が対話操作で同じレコードの訂正モードに入ることはできません。すなわち，誰かがあるレコードを編集中の場合，そのレコードを確定させて表操作モードに戻るか別のレコードに移るまで，他の利用者はそのレコードの訂正モードに入ることはできません。
- 備考
- DBPro V3 では，DBPro 初期化ファイルで指定することによって同時に複数の利用者が同じレコードの訂正モードに入れるように設定できましたが（この場合，相手が加えた変更を知らないまま相手の確定後に自分の編集結果を上書きするか，相手が確定しないので自分の編集結果を棄てて表操作モードに戻るしかありません），V4 ではその設定に変更することはできなくなりました。
- 誰かが検索，選択，集計，印刷など，表全体のレコードを参照する処理を実行している間は，他の利用者は訂正中／挿入中のレコードを確定させることができません。そのまま待って，検索などの実行が完了すれば確定させることができます。
- 誰かが一人でも訂正／挿入中であるか，検索などの表全体を参照する処理を実行中であると，置換，併合，読込みなど，表の複数のレコードを一括して変更／挿入する処理は実行できません。
- 同時使用中の表ファイルでは索引を新たに作成したり，既存の索引の定義を変更したりすることはできません。
- 同時使用中の表ファイルを閉じるときは，必ず全レコードが保存されます。変更を破棄して終了することはできません。
- 同時使用中にマウスポインタの形が
になることがあります。この形になっている間は一切の操作ができません。