DBPro V2 から V3 への変更点

DBPro V.3 で追加された機能や改善された機能などのうち,主なものを以下にご紹介します。


表定義の機能

表定義の省略と自動再定義表定義をしないでデータを直接入力し,そのデータから自動的にデータ型などを判定して表を定義することができます。→テキストファイルから表を作る:表定義の省略
表形式での項目属性設定一部の項目属性を表形式で一覧表示させ,編集することができるようになりました。ダイアログによる設定と併用してください。→表定義ウィンドウ[他]-[全属性を表示]
検査条件違反時メッセージ利用者が検査条件に違反するデータを入力しようとしたときに表示されるメッセージを,項目ごとに指定できるようになりました。→検査条件とその関連オプション項目属性ダイアログ:条件ページ
フォント設定の既定値新しい表,カードなどを作るたびに設定しなければならなかったフォントの組が,DBPro 全体で一つの既定値をもてるようになりました。→フォント設定ダイアログ
表/項目属性の既定値変更DBPro 初期化ファイルで指定することによって,陽に指定されなかった属性の既定値を変更することができます。
標準表示形式の自動変更表定義を変更すると,標準表示形式も自動的に変更されます。(この機能は V4 では廃止になり,代わりに項目順序を定義順に合わせたいときにいつでもボタン一つで表定義に合わせられるようになりました。→表示形式ダイアログ:共通部分の [定義順]ボタン
レコード番号の自動設定組込み関数 #最終値 により,レコード挿入によるレコード番号の自動設定が可能になりました。

編集の機能

検索,選択の速度単一の項目と定数との比較による検索,選択の速度が大幅に改善されました。比較の中には,「含む」や「基本つづりで含む」も含まれます。[探索]-[項目検索],[探索]-[項目選択]
自動ふりがな入力氏名や会社名などの入力時に,かな漢字変換前のかな文字列を指定した項目の初期値として設定できます。ただし,ご使用のかな漢字変換システムが Windows 3.1 に対応した IME に準拠している必要があります。ふりがな入力
クロス集計縦に担当者を並べ,横に月別の売り上げを集計した表などを作成することができます。[表操作]-[クロス集計]
選択後の整列選択ウィンドウでもレコードの並べ替えができるようになりました。登録してある索引を利用する方法と,その場で項目と整列順を指定して並べ替える方法があります。[表操作]-[整列]
文字数による表示幅の指定どんなフォントでも指定文字数を表示するように表示幅を設定できます。表示形式ダイアログ
文字入力中のフォント文字列編集中のフォントも項目属性で指定したフォントを用いるようになりました。システムフォントにすることもできます。各種設定ダイアログ
かな漢モード制御の詳細化FEP のオン/オフだけでなく,全半角,ひらがな,カタカナ,英数など細かな指定が可能になりました。項目属性設定ダイアログ
文字列編集中の項目値複写セル内の文字列入力中に,指定した項目の値を複写できるようになりました。[編集]-[入力補助]-[項目値複写]
読込み/書出しカード編集ウィンドウでも読込み/書出しができると同時に,実行前に読込み/書出しの対象項目を指定できるようになりました。[ファイル]-[読込み],[ファイル]-[書出し]
任意区切りテキストの読み/書き項目やレコードの区切り文字を自由に指定した読み込みや書き出しが可能になりました。[ファイル]-[読込み],[ファイル]-[書出し]
再計算のタイミング挿入/訂正中の計算項目の計算がセルカーソルの動きにあわせてきめ細かくなりました。また,不要な再計算を極力抑えることができます。[表操作]-[再計算],各種設定ダイアログ,項目属性設定ダイアログ
初期値の表示タイミングレコード挿入時でも利用者が陽に指示するまで,表引きなどの初期値を表示させないようにできます。項目属性設定ダイアログ
書式の拡張時刻,日時間隔,年月間隔の書式が機能拡張されました。時刻書式,日時間隔書式,年月間隔書式
改行を含む項目値の複写他のアプリケーションとクリップボードを介してデータをやりとりする際,改行文字を他の文字に置き換えるか,そのまま複写するか選ぶことができます。各種設定ダイアログ
改行文字入力方法の選択Ctrl+Enter と Enter の意味を逆にすることができます。各種設定ダイアログ
表の注釈編集ウィンドウから参照/編集できるようになりました。[他]-[表題設定]
日付データの年の解釈の指定日付の入力の際,元号を省略して入力された年の値の評価を,DBPRO.INI の DateInterpret で設定できるようになりました。
ダブルクリックによるレコードマーク表編集中に,レコード状態表示領域をダブルクリックすると,レコードマークを設定したり,解除したりすることができます。

カードの機能

テキストファイルの表示カードにテキストファイルの内容を表示することができます。[道具]-[ファイル項目]-[テキスト]
フルカラー画像 JPEG サポートJPEG 形式画像も表示できるようになりました。またディスプレイやプリンタに合わせて自動的に減色させることもできます。[道具]-[ファイル項目]-[図形]
見出し付き項目オブジェクト複数の項目/式オブジェクトをまとめて,表のように配置できます。レイアウトがいっそう楽になります。[道具]-[見出し付き項目]
自動レイアウトパターンの新設カードの自動レイアウトがT型カードだけでなく,ラベル印刷用,表オブジェクト,見出し付き項目オブジェクトの4通りに増えました。自動レイアウト設定ダイアログ
レイアウト省略T型カードカードレイアウトをしないでも,表/カード切替えによって表編集ウィンドウからすぐにT型カードで編集できるようになりました。[ウィンドウ]-[表カード切替え]
各シートに表オブジェクトカード全体に一つしか置けなかった表オブジェクトが各シートに置けるようになりました。これによって,1枚の用紙に納品書,受領書,請求書などを同時に印刷するレザープリンタ用市販用紙にも対応できます。[道具]-[表]
オブジェクトの編集可能属性オブジェクトが編集可能か不可か設定できるようになりました。[属性]-[オブジェクト属性]
カードにグループ項目と使用索引グループ項目が表オブジェクトに対する属性から表全体に対する属性に拡大されました。カード編集時に使う索引を指定できるようになりました。グループ項目設定ダイアログ
文字の立体表示オブジェクトの文字スタイルに立体凸と立体凹が新設されました。[属性]-[オブジェクト属性]
式オブジェクトの改善式オブジェクトで他の式オブジェクトの値を参照可能になりました。[道具]-[式]
表オブジェクトの各項目の属性設定カードのレイアウト時に,表オブジェクト(見出し付き項目オブジェクトを含む)に含まれる各項目の属性(見出し/明細部)を,複数項目まとめて設定できるようになりました。
表オブジェクトでの集計レコード表示表オブジェクトのあるカードで集計を実行した後,表オブジェクト中に集計レコードをデータレコードと一緒に表示させることができるようになりました。
カード切替えのキー割り当ての変更カード切替え(次カード/前カード)とシート切替え(次シート/前シート) のキーボードショートカットの CTRL 同時押下の動きが入れ替わりました。ショートカットキー,カード編集のカーソル移動
印刷シートの指定カード用紙設定で印刷するシート,印刷しないシートを指定できるようになりました。一つのカードに入力用と印刷用の異なるレイアウトのシートをおくことができます。
図形関連オブジェクトの背景色図形を表示するオブジェクトで,図形をクリップで表示するとき,図形がオブジェクトより小さい場合,周囲は透明になりました。図形の周囲の色を指定したい場合は,矩形オブジェクトを置くなどしてください。固定図形オブジェクト,図形項目オブジェクト,図形ボタンオブジェクト

ユーザインタフェースの改善

定義-編集切替え機能編集中にワンタッチで定義/レイアウト画面へ,定義/レイアウト画面からワンタッチで編集画面に移ることができます。[他]-[定義へ],[他]-[レイアウトへ],[他]-[編集へ]
クイックバーの導入整列索引や表示形式をワンタッチで切り替えることのできるクイックバーを装備。ウィンドウの上/下または浮動表示が可能です。クイックバー
見出し(タグ)付きダイアログ導入多くの属性を設定するダイアログでは,類似する属性を集めそれらに見出しをつけました。各種設定ダイアログ,集計ダイアログ,...
集計ダイアログの改善これまで分かりづらかった集計ダイアログを,見出し付きダイアログに置き換えて操作しやすくしました。集計ダイアログ
表引き設定ダイアログDBPro の特徴的な機能である表引きの設定を助けるダイアログを装備しました。表引き設定ダイアログ
項目検索/項目選択数値,日付などでの検索,指定した値「以上」/「以下」/「異なる」等の指定が可能になりました。複数の項目を対象に検索/選択ができるようになりました。以前に利用した値を使って検索することもできるようになりました。[探索]-[項目検索],[探索]-[項目選択]
長さ指定の単位mm の他にも inch,pt が指定できるようになりました。項目表示幅については文字数による指定も可能です。各種設定ダイアログ,表示形式ダイアログ
全画面表示画面をできるだけ広く使うためにタイトルバーやメニューバーすら表示しないことができます。[全画面表示/通常画面表示]
各種設定による環境設定各種設定コマンドで変更できる項目が大幅に増えました。各種設定ダイアログ
ダブルクリックによるプロセス起動プロセス起動が設定されている項目の図形やテキストファイルがダブルクリックで編集できるようになりました。[他]-[プロセス起動]
スクロールバーの [端へ] ボタン表の先頭/末尾/左端/右端にワンクリックで移動できます。スクロールバー
検索/集計などの索引自動判定現在のレコード並び順を無視してよい場合,検索や選択を高速に実行するために,また集計のグループ化を自動的に行なうために,使用できる索引があれば自動的に採用します。項目検索ダイアログ,条件検索ダイアログ,項目選択ダイアログ,条件選択ダイアログ,集計ダイアログ
画面表示サイズの補正表やカードをディスプレイ上に指定されたサイズで表示することが可能になりました。この機能によりスケーラブルフォントを使用したカードのプレビューでの正確さがまします。ただし, V.2 までのDBPro で作成したカードの場合は,カードレイアウトの [属性]-[カード属性]:カード属性設定ダイアログで[サイズ補正しない]をオフにしてください。各種設定ダイアログの画面表示サイズ補正

印刷の機能

バーコードの表示と印刷JAN,UPC,ITF,NW-7,CODE39 に対応。チェックディジット計算やスタート・ストップコード付加機能もサポート。バーコード
特殊サイズ連続用紙向け
プリンタドライバ
宅配伝票や納品書など,複写式の連続伝票に印刷できるプリンタドライバを添付しました (ESC/P,PC-PR201 対応)。プリンタドライバについて
表印刷の機能表印刷でいくつかの機能が増えました。印刷形式ダイアログ
段組み
1枚の紙の上に,表を左右または上下に分けて印刷することができるようになりました。
罫線
罫線のバリエーションが増えました。
用紙内折り返しでの高さ自動拡張
用紙内折り返しの表印刷でも高さ自動拡張が可能になり,長さの違う項目値でも全体を印刷したうえに隙間なく次のレコードを印刷できます。
n行おきに網かけ
レコード番号印刷
表印刷の左側欄外に行番号を印刷できるようになりました。
カードのシート指定印刷特定のシートだけを印刷できます。これにより,一つのカードの中に画面インタフェース用の部分と印刷用の部分とを同時にもつことができます。カード用紙設定ダイアログ
プリンタの自動設定印刷形式やカードに設定されているプリンタと,Windows に設定されている通常使うプリンタとが一致しない場合でも,プリンタが組み込まれていさえすれば自動的に切り替えて印刷します。また,印刷形式およびカードの設定プリンタに <通常使うプリンタ> という選択肢が新設され,どんなプリンタであろうとその時 Windows に設定されている通常使うプリンタで印刷することができます。印刷形式ダイアログ,カード用紙設定ダイアログ

DPL (DBPro プログラミング言語) の充実

実行形式ファイルDPL ファイルを中間形ファイルとすることで,起動時の高速化,DPL の内容の秘密保持が可能になりました。[他]-[実行形式保管]
カード手続き「どのカードのどのボタンが押されたらどうする」といった記述が可能になります。これにより,DPL を多くのファイルに分割していたわずらわしさから開放されます。カード手続き宣言ステートメント
一時的対話編集1項目の訂正または1レコードの挿入ごとに DPL に制御を戻すことができるようになりました。対話編集ステートメント
タイトルバーの変更ウィンドウのタイトルを自由に変更できます。ウィンドウ表示ステートメント
オブジェクト属性の変更DPL 実行中にカードのオブジェクトの属性を変更できるようになりました。指定したオブジェクトの編集可/不可,表示属性,ボタンの有効/無効,表示文字などを一時的に変更して,アプリケーション利用者の誤操作を防ぐことができます。オブジェクト属性ステートメント
印刷形式の登録/削除DPL 中で印刷形式が登録/削除できるようになったので,表に印刷形式をもたなくてもプログラム中にもつことができるようになりました。印刷形式登録ステートメント,印刷形式削除ステートメント
集計ステートメントの拡張集計定義,クロス集計定義をあらかじめ作成しておかなくても,DPL で集計を取れるようになりました。集計ステートメント,クロス集計ステートメント
ディレクトリの作成/削除ファイルだけでなく,ディレクトリも DPL 実行中に作成/削除できるようになりました。ディレクトリ作成ステートメント,ディレクトリ削除ステートメント
エラー処理のレベル分けステートメント実行に失敗したとき,DBPro がメッセージボックスを表示して DPL を終了させるか,$$CMDSTATE の値によって DPL 自身でエラー処理するかをエラーのレベルで指定できます。エラーレベルステートメント
デバッグ機能トレースステートメントにより,実行されたステートメントとその結果である $$CMDSTATE などを次々表示します。トレースステートメント
実行中の機能制限DPL 実行中にアプリケーション利用者が実行できる機能を制限することができます。機能制限ステートメント
DLL 関数の呼出しWindows の関数などの,任意の DLL 関数を直接呼び出すことができるようになりました。これにより,より複雑なプログラミングが可能となりました。DLL 関数登録宣言ステートメント
各種設定DPL からの各種設定が設定項目ごとのステートメントに分割されました。各種設定ステートメント

その他の変更

ヘルプ今,ご覧のヘルプは大幅に充実・読みやすくなっていると思います。
桐ヘルプ桐に慣れた方が DBPro を使うときのために用意しました。
コンバータ標準で次のファイルも変換できるようになりました。
 桐 Ver.5
 Excel Ver.5
 The Card Ver.5
対応ネットワークの追加Windows 3.1 に対応しているネットワークであれば,いずれのネットワークでも動作するようになりました。NetWare,LAN Manager,LANtastic,NetWare Lite,PERSONAL NetWare,WEB などが含まれます。
起動時パラメータDBPro 起動時のパラメータの種類が増えました。起動時パラメータ
作業用ディレクトリの指定作業用ファイルを作成するディレクトリを指定できます。各種設定ダイアログ
表の修復機能[他]-[表再構成]コマンドで表の修復が可能になりました。
同時使用時の一斉更新置換/併合/読込みは,同時使用でオープンしていても,他の利用者がその表をオープンしていなければ実行できるようになりました。
レコードロックの通知他の利用者が編集中のレコードを編集しようとすると,その時点でメッセージされるようになりました。V.2 では複数の利用者が同じレコードの編集モードに入れましたが,他の利用者が編集を取り消すまで確定できませんでした。V.2 と同じように,複数の利用者が同時に同じレコードの編集モードに入ることができるように DBPRO.INI の CheckLockedRecord で設定を変更できます。排他制御について