データ編集の基礎


目次
マウス操作
キーボード操作
コマンドの選択と実行
表操作モードと文字列編集モード
カーソル移動
操作対象のハイライト
文字列の入力と編集
セル単位の編集
データ型に応じた項目値の入力
操作の中断とやり直し
各種の入力補助機能
表引き入力
選択入力
ふりがなの自動入力
初期値の設定
かな漢字変換システムの自動制御
検査条件
[編集]-[入力補助]サブメニュー
他ファイルからのデータ入力
キー割当て一覧

マウス操作

DBPro では,データの入力以外のほとんどの操作がマウスを使って実行できます。マウスポインタでウィンドウ上の特定の場所(メニュー,ボタン,データそのものなど)を指定することによって,その場所に関連した機能が実行されたり,その場所に関連したデータが処理の対象になったりします。

基本操作

右ボタンメニュー

マウスによるハイライト操作

ホイールマウスの操作

マウスポインタの形状と機能

マウスポインタは,通常は矢印ですが,場所と機能によって形が変わります。

Windows 標準のマウスポインタ
詳細は,Windows のマニュアルをご覧ください。
通常の選択メニューコマンドやボタンを選択したり,操作対象を指定したりします。
テキスト選択文字列編集モードやエディットボックスで文字を入力/編集するときの形です。
左右に拡大/縮小上下に拡大/縮小
斜めに拡大/縮小1斜めに拡大/縮小2
ウィンドウの境界に合わせるとウィンドウの大きさを変えられます。カードレイアウトウィンドウでオブジェクトのサイズを変えるときにも使います。
移動コントロールメニューの [移動],[サイズ変更] コマンドで表示されます。
待ち状態システムが処理中のため利用者が操作できないとき表示されます。
リンクの選択ヘルプウィンドウ(一般的な HTML ブラウザ)で他の解説箇所へのリンクを示します。
DBPro 全体で使うマウスポインタ
同時使用ロック中ファイルを同時使用中にポインタがこの形になると,DBPro のシステムが排他制御中なので利用者は何もできません。→ファイルの同時使用と排他制御
表形式のウィンドウでのマウスポインタ
表編集,表定義,ビュー定義,DPL 作成の各ファイルウィンドウで使います。→表編集ウィンドウの構成
表示幅変更項目名の境界部分をドラッグして項目表示幅を変更します。
表示高さ変更レコード状態表示領域の境界をドラッグしてレコードの表示高さを変更します。
左右分割表示幅ゼロの項目が隠れているときに,その項目の表示幅を広げます。または,水平スクロールバーにある分割ボックスをドラッグして縦の分割線を移動し,表の作業領域を左右に分割します。
上下分割垂直スクロールバーにある分割ボックスをドラッグして横の分割線を移動し,表の作業領域を上下に分割します。
上下左右分割[ウィンドウ]-[ウィンドウ分割] を選んだときに,縦横の分割線の交点を移動し,表の作業領域を上下左右に4分割します。
カードレイアウトウィンドウのマウスポインタ
主に,新しいオブジェクトを置くときに,それぞれのオブジェクトに応じた形状のポインタになります。→カード:オブジェクトカードレイアウトウィンドウ
オブジェクトをつかむハイライトされているオブジェクトをつかんで移動します。
項目オブジェクト項目オブジェクトを配置します。
式オブジェクト式オブジェクトを配置します。
テキストファイル項目オブジェクトテキストファイル項目オブジェクトを配置します。
図形ファイル項目オブジェクト図形ファイル項目オブジェクトを配置します。
表オブジェクト表オブジェクトを配置します。
データオブジェクトデータオブジェクトを配置します。
変数オブジェクト変数オブジェクトを配置します。
文字列オブジェクト文字列オブジェクトを配置します。
図形オブジェクト図形オブジェクトを配置します。
文字列ボタンオブジェクト文字列ボタンオブジェクトを配置します。
図形ボタンオブジェクト図形ボタンオブジェクトを配置します。
直線オブジェクト直線オブジェクトを配置します。
矩形オブジェクト矩形オブジェクトを配置します。
楕円オブジェクト楕円オブジェクトを配置します。
OLE枠オブジェクトOLE枠オブジェクトを配置します。
カーソル停止位置設定カーソル停止位置を設定/解除します。
カーソル移動順序新規カーソル移動順序を新規に設定します。
カーソル移動順序変更カーソル移動順序を変更します。
表示順序新規オブジェクト表示順序を新規に設定します。

キーボード操作

キーボードの操作は,主にデータ入力のために行ないますが,カーソルを移動したり,コマンドを選んだりするときにも使います。

文字の入力

コマンドやダイアログ項目の選択と実行

メニューバーからコマンドを選んだり,ダイアログ中で特定の項目を選んだりするときは,マウスでクリックするのが一般的ですが,キーボード操作で選ぶこともできます。

矢印キーでメニューコマンドを選ぶ
F10 または Altキーを押すとメニューバーの左端にあるメニュー名がアクティブになります。この状態から上下左右の矢印キーを使ってコマンドを選ぶことができます。指定したいコマンドをアクティブにして Enter を押すと,そのコマンドが実行されます。
アクセスキーでコマンドやダイアログの項目を選ぶ
メニューバーのメニュー名やコマンド名の右側,ダイアログボックスの各項目の右側に括弧付きで示されている文字のキーをアクセスキーといいます。Altキーを押しながらアクセスキーを押すと,そのメニューやコマンド,ダイアログのコマンドを直接選ぶことができます。
 例:
[ファイル(F)]-[開く(O)...] は,Alt → F → O を順に押すことで実行できます。
ショートカットキーでコマンドを実行する
コマンドの中でもよく使われるコマンドにはショートカットキーが割り当てられています。ショートカットキーは,そのキーを押すだけでただちに対応するコマンドが実行されます。ショートカットキーには,ファンクションキーや Ctrlキー+文字キーなどが使われています。ショートカットキーが割り当てられているコマンドは,各メニューのコマンド名の右側に示されています。→ショートカットキー一覧
 例:
「開く(O)... Ctrl+O 」は,Ctrl キーを押しながら O キーを押して実行できます。

カーソル移動とウィンドウスクロール

キーボードによるハイライト操作


コマンドの選択と実行

DBPro の操作は,ウィンドウに対して動作を指示するコマンドを指定して進めます。
コマンドの指定方法には次のものがあります。

上記のいずれかの方法でコマンドを選ぶと,一般的には次のように実行が進みます。

  1. ダイアログによる詳細な指定が必要なコマンドは,ダイアログボックスが表示されます。それぞれのダイアログに応じた指定を行なってから [OK]ボタンを押します。
  2. 誤って実行してしまうと影響が大きな操作については,実行前に確認のダイアログが表示されることがあります(レコード削除など)。
  3. 実行が開始され,すぐに終わる場合は,ただちに結果が反映されます。処理時間がかかる場合は,マウスポインタが砂時計の形になります。
  4. さらに時間がかかる処理の場合は,中止ダイアログが表示されます。中止ダイアログには,進捗度合を示すグラフがパーセント表示されています。
  5. 実行の結果が得られます。実行の結果にはさまざまなものがあります。
    結果のダイアログが表示される[表操作]-[項目集計] など
    新しいウィンドウが表示される[探す]-[項目選択] など
    ウィンドウのモードが変わる[編集]-[レコード挿入開始/終了] など
    ウィンドウの形が変わる[表示]-[表示形式] など
    見た目は何も変わらない[他]-[コマンド登録] など

具体的なコマンドについては,メニューコマンド一覧を参照してください。


表操作モードと文字列編集モード

次の各ファイルウィンドウでデータを操作するときの状態は,表操作モードと文字列編集モードの二つのモードに分けられます。

表編集ウィンドウ
カード編集ウィンドウ
表定義ウィンドウ
ビュー定義ウィンドウ
DPL 作成ウィンドウ

表操作モード

文字列編集モード


カーソル移動


操作対象のハイライト

DBPro を始めとする Windows のアプリケーションでは,多くの場合に操作対象を指定してから操作内容(コマンドなど)を指定します。通常はカーソルの位置などによって自動的に操作対象が決まりますが,複数の対象を同時に指定したい場合など,明示的に操作対象の範囲を示すことがあります。DBPro ではこの操作を「ハイライトする」といいます。

ハイライトの単位

ハイライトする単位は,ファイルウィンドウの種類,編集モードなどによって異なります。

表編集ウィンドウ,表定義ウィンドウ,ビュー定義ウィンドウ,DPL作成ウィンドウ
これらのウィンドウの表操作モードでは次の単位でハイライトすることができます。
表全体 表のすべての項目,すべてのレコードを操作対象にします。定義ウィンドウの場合はすべての項目属性レコードが,DPL作成ウィンドウの場合はすべてのステートメントが操作対象になります。
レコード対象とするレコード,項目属性レコード,ステートメントをハイライトします。
(DBPro V3 までは,表定義ウィンドウなどでは不連続なレコードのハイライトができませんでしたが,V4 からは,どのウィンドウでも不連続なレコードのハイライトが可能になりました。)
項目表の縦の列単位でハイライトします。表編集ウィンドウでは項目,定義ウィンドウでは項目属性,DPL作成ウィンドウでは欄全体が操作対象になります。
セルいくつかのセルを一つの矩形としてハイライトします。複数の矩形範囲をハイライトすることはできません。
カードレイアウトウィンドウ
カードレイアウトウィンドウではオブジェクトがハイライトの単位になります。→オブジェクトのハイライト
文字列編集モード
いずれのウィンドウでも,文字列編集モードでは対象とする文字列を文字単位でハイライトします。
カード編集ウィンドウ
カード編集ウィンドウの表操作モードではハイライト操作ができません。
スクリプト作成ウィンドウ
スクリプト作成ウィンドウでも,文字列操作時の文字単位のハイライト以外はできません。

ハイライト表示

マウスによるハイライト操作

マウスによるハイライトは以下の方法で行ないます。カードレイアウトウィンドウでのオブジェクトハイライトは,これらとは異なります。→オブジェクトのハイライト

表全体のハイライト レコード単位のハイライト 項目単位のハイライト セル単位の矩形ハイライト 文字列のハイライト ハイライトの解除

キーボードによるハイライト操作

キーボードによるハイライトは以下の方法で行ないます。カードレイアウトウィンドウでのオブジェクトのハイライトは,これらとは異なります。→オブジェクトのハイライト

表全体のハイライト レコード単位のハイライト 項目単位のハイライト セル単位の矩形ハイライト 文字列のハイライト ハイライトの解除

注意

備考


文字列の入力と編集

レコードのデータとしての文字列は,ファイルウィンドウのセルを文字列編集モードにして入力します。ダイアログボックスでのパラメータ入力としても文字列入力は多用します。文字列を入力/編集するときの矩形の領域をエディットボックスといいます。

文字の入力

日本語などの入力について

文字列の削除・消去

クリップボードを利用した文字列の移動と複写

文字列の一部を別の場所に移動したり,複写したりするときは,クリップボードと呼ばれる一時的なデータ保存領域を利用して行ないます。

文字列の移動

  1. 移動したい文字列をハイライトします。
  2. Ctrl+X を押します。またはマウスの右ボタンをクリックして [切取り] を選びます。ハイライトした文字列が元の場所から切り取られ,クリップボードに移動されます。
  3. 移動先の位置に文字カーソルを合わせます。
    移動先としては,同じエディットボックスの中だけでなく,異なるレコードの異なる項目の中,異なるダイアログの中,果ては異なるアプリケーションの中でもかまいません(ただし,アプリケーションが異なった場合には操作方法が異なる可能性があります)。
  4. Ctrl+V を押します。またはマウスの右ボタンをクリックして [貼付け] を選びます。クリップボードに切り取られていた文字列がカーソル位置に挿入されます。
  5. クリップボードには切り取った文字列が残ったままなので,別の場所でもう一度 Ctrl+V を押すか [貼付け] を選ぶと,同じ文字列を2箇所以上に移動・複写することができます。

文字列の複写

  1. 複写したい文字列をハイライトします。
  2. Ctrl+C を押します。または右ボタンメニューから [複写] を選びます。クリップボードに文字列が複写されます。元の文字列はそのままです。
  3. これ以後は,「文字列の移動」の 3. 以降と同じです。複写先の位置を指定して,貼付けを行なってください。

他のアプリケーションからの移動/複写

文字列を元に戻す


セル単位の編集

表編集,表定義,ビュー定義,および DPL作成の各ファイルウィンドウでは,複数のセルをハイライトし,それらのデータを一括して消去,移動,複写できます。カード編集ウィンドウでは1セル(オブジェクト)ずつ消去,移動,複写します。
セル単位の編集では,レコードの内容だけが対象になり,レコードそのものは移動されたり,削除されたりしません。レコード全体を移動,複写,削除するときは,レコード編集機能を使います。→レコードの挿入/削除/更新/複写/移動

セル単位のデータ消去

  1. データを消したいセルにカーソルを合わせます。複数のセルを同時に消す場合には,それらのセルをハイライトします。
  2. Deleteキーを押すか,マウスの右ボタンをクリックして [消去] を選びます。

クリップボードを利用したセルデータの移動と複写

文字列を移動,複写するときと同様に,セルのデータもクリップボードを経由して移動,複写します。

備考:
DBPro V3 までは,セル単位の移動/複写には [移動]/[複写] コマンドが,レコード単位の移動/複写には [レコード移動]/[レコード複写] コマンドが用意され,「どこから」「どこへ」という指定によるクリップボードを意識しない操作でした。V4 からは Windows の一般的な操作方法であるクリップボードを意識した [切取り]/[複写] して [貼付け] るという形に変更されました。

セル単位の移動

  1. 移動したいデータのセルにカーソルを合わせます。複数のセルを同時に移動するときは,それらのセルをハイライトします。
  2. Ctrl+X を押します。またはマウスの右ボタンをクリックして [切取り] を選びます。対象セルのデータが元の場所から切り取られ,クリップボードに移動されます。元のセルはナルになります。
  3. 移動先の位置にカーソルを合わせます。複数のセルを指定した場合は,その先頭セル(左端または上端)の位置を指定します。
    移動先としては,ウィンドウの中だけでなく,異なるウィンドウや異なるアプリケーションの中でもかまいません(ただし,アプリケーションが異なった場合には操作方法が異なる可能性があります)。
  4. Ctrl+V を押します。またはマウスの右ボタンをクリックして [貼付け] を選びます。クリップボードに切り取られていたデータがカーソル位置に上書きされます。移動先に元々あったデータは失われます。
  5. クリップボードには切り取ったデータが残ったままなので,別の場所でもう一度 Ctrl+V を押すか [貼付け] を選ぶと,同じデータを2箇所以上に移動・複写することができます。

セル単位の複写

  1. 複写したいデータのセルにカーソルを合わせます。複数のセルを同時に複写するときは,それらのセルをハイライトします。
  2. Ctrl+C を押します。または右ボタンメニューから [複写] を選びます。対象セルのデータがクリップボードに複写されます。元のデータはそのままです。
  3. これ以後は,「セル単位の移動」の 3. 以降と同じです。複写先の位置を指定して,貼付けを行なってください。

他のアプリケーションからの移動/複写

表定義,ビュー定義ウィンドウでのセル単位編集

セルデータを元に戻す


データ型に応じた項目値の入力

レコードの項目値の入力や訂正は,表編集ウィンドウあるいはカード編集ウィンドウで行ないます。


操作の中断とやり直し

間違った操作したときは,以下の方法で操作を中止したり,やり直ししたりすることができます。

Escによる操作の取消し

Escキーを押すと,次の操作を中止できます。

[キャンセル]ボタンによるダイアログ設定の中止

[中止]ボタンによる長時間処理の中止

[編集]-[元に戻す]による編集操作の取消し


各種の入力補助機能

あらかじめ表ファイルにさまざまな設定をしておくことによって,データ入力を容易に行なえるようになります。また,[編集]-[入力補助]サブメニューにはいろいろな入力補助機能が用意されています。

表引き入力
選択入力
ふりがなの自動入力
初期値の設定
かな漢字変換システムの自動制御
検査条件
[編集]-[入力補助]サブメニュー
他ファイルからのデータ入力

表引き入力

表に入力しようとするデータがすでに他の表に入力されているデータである場合,入力済みの表を参照しながらデータを入力することができます。

表引き入力の種類

表引き入力の設定

選択入力

表引きは数多くのデータの中から一つの値を入力するために用いられますが,選択肢の数がそれほど多くない場合には項目属性としての選択肢を利用した方が簡単です。

ふりがなの自動入力

ある項目に入力した日本語文字列のふりがなを別の項目に自動的に入力させることができます。

初期値の設定

レコードが初めて表に挿入されたときに項目の初期値を自動的に設定させることができます。

かな漢字変換システムの自動制御

項目によってかな漢字変換システムのモードを自動的に変更させることができます。

検査条件

表のレコードに入力されるデータが満たしていなければならない条件を指定することができます。これによって,表に正しくないデータが入力されるのを防ぎ,データベースを常に正しい状態に保ちます。

[編集]-[入力補助]サブメニュー

さまざまな入力を補助するために,[編集]-[入力補助]サブメニューに次のコマンドが用意されています。

[直前値]直前のレコードの同じ項目の値を複写します。
[直前行]直前のレコード全体を複写します。
[項目値複写]任意の項目の値を複写します。
[初期値/選択入力]初期値式を再評価します。または選択肢ウィンドウを表示します。
DPL 作成ウィンドウの場合はコマンド名が [選択入力] に変わり,ステートメントのひな形を選択します。
[ファイル名]ファイル名入力のためにファイル選択ダイアログを開きます。
[式入力]式入力のために式入力ダイアログを開きます。
[元表項目]ビュー定義ウィンドウで元表項目一覧ウィンドウを開きます。
[選択肢表示]DPL作成ウィンドウでステートメントのひな形入力のための選択肢を表示するか否かを指定します。

他ファイルからのデータ入力

すでにデータが入力されたファイルがある場合には,そのデータを利用することができます。