DBPro機能ガイド：DPLの機能

オープンステートメントやレコード挿入ステートメントのように単一の機能だけを実行するステートメントと，PROCEDUREステートメントや WHILEステートメントのように複数のステートメントをまとめてひとまとまりの処理を指定するステートメントがあります。PROCEDUREステートメントや WHILEステートメントに含まれるひとまとまりのステートメントを「ブロック」と呼びます。DPL の構文

ステートメントの分類

ステートメントは，それぞれの機能によって次のように分類できます。DPL ステートメント一覧

分類	説明	例
宣言ステートメント	プログラム中で使う変数や手続きを指定します。宣言ステートメント自体は実行されません。	LOCAL/GLOBAL PROCEDURE
構造ステートメント	ステートメントの集まりであるブロックを繰り返し実行したり，条件に応じて実行するブロックを選んだりします。	IF SWITCH WHILE
制御ステートメント	ステートメントが実行される順序を変更したり，手続きを呼び出したりします。	GOTO CALL
実行関連ステートメント	利用者とのやりとりのために一時的に対話編集モードにしたり，他のアプリケーションを実行したりします。	対話編集実行
代入ステートメント	変数や項目に値を格納します。	代入
式ステートメント	式そのものを単独で書き，その式を評価させます。組込み関数評価時の効果を利用できます。	（任意の式）
ファイル操作関連ステートメント	ファイルを開いたり，読込み，書出し，印刷などの [ファイル] メニューに相当する機能を実行します。また，ファイルの作成や変換など，ファイル単位の処理を実行します。	オープン印刷ファイル変換
レコード操作関連ステートメント	表ファイルのレコードを挿入したり，値を訂正したりします。	カーソル移動レコード挿入
探索関連ステートメント	表ファイル中のレコードを検索したり選択したりします。レコード数を指定しての移動もあります。	検索選択フォーカス移動
表操作関連ステートメント	表ファイルに対する整列，集計，併合などの一括した処理を実行します。	索引登録クロス集計併合
表示関連ステートメント	表示形式やオブジェクト属性などの表示／印刷に関わる設定を変更したり，ウィンドウの表示／非表示を制御したりします。	表示形式ウィンドウ表示表カード切替え
その他のステートメント	メッセージを表示したり，各種の情報を取得／設定したり，デバッグのための情報を表示したりします。	ダイアログかな漢制御デバッグ

ラベル

ラベルは，DPLプログラム中の特定の場所に名前を付けます。この名前は，GOTO ステートメントによって実行の順序を変更するときに指定して，分岐先の位置を示します。

ラベルは，通常識別子（英字，仮名，漢字，下線で始まる英仮名漢字下線数字列）の後ろにコロン：を付けて記述します。
ラベルは，DPL作成ウィンドウの [構造] 欄に書きます。同じ行にステートメントを書くこともできますし，ラベルだけの行として書いてもかまいません。
DPL のラベルは GOTO ステートメントのためだけに使われます。GOTO ステートメント以外で使われることはありません。

注釈

プログラム中に説明や覚書きのために「注釈」と呼ぶ任意の文字列を挿入しておくことができます。

DPL作成ウィンドウの [構造] 欄に連続するマイナス符号 -- で始まる文字列を書くと，そのレコードに書くすべての文字列は注釈となり，プログラムの実行には何の影響も与えません。このように [構造] 欄に書く注釈を「注釈行」と呼び，DPLファイル中では -- から次の改行コードまでのすべての文字が注釈になります。[コマンド] 欄や [パラメータ] 欄に書いた文字列も次に DPL作成ウィンドウを開いたときには [構造] 欄に表示されます。
「注釈行」に対し，[注釈] 欄に書く注釈を「行末注釈」と呼びます。[注釈] 欄に書く注釈は，ステートメントと同じ行に書くことができ，DPLファイル中では連続する三つのマイナス符号 --- から次の改行コードまでが注釈になります。[注釈] 欄に書くときはマイナス符号を書く必要はありません（DPLファイルに保存するときに自動的に補われます）。
DPLプログラムの先頭に書いた注釈行は，その DPLファイルの表題として解釈され，ファイルを開くダイアログなどで表示されます。

実行制御

ある条件によって実行されるステートメントを変更したり，同じステートメントを繰り返し実行したり，あるいは他の DPL やアプリケーションを実行させるための機能が用意されています。

条件による処理の振り分け

条件によって実行される処理を切り替える方法としては，IFステートメントと SWITCHステートメントがあります。

IFステートメントは，指定する条件が満たされる場合にだけ，それに続くステートメントの並び（ブロック）を実行します。条件は任意の論理式で指定できます。
SWITCHステートメントは，式の値を計算し，その値ごとに実行するステートメント（ブロック）を指定できます。多くの場合分けをするときに利用します。

実行の繰返し

回数や条件を指定して，ステートメントの並び（ブロック）を繰り返し実行させることができます。

FORステートメントは，繰り返しの回数を数えながら，そのカウンターが一定の値になるまで同じステートメントを繰り返し実行します。
WHILEステートメントは，指定する条件が満たされている限りブロックの実行を繰り返します。繰り返しの最初で条件を判定し，条件が成立しなくなったら繰り返しを終了します。
REPEATステートメントは，指定する条件が満たされるまでブロックの実行を繰り返します。繰り返しの最後に条件を判定し，条件が成立したら繰り返しを終了します。

手続きの呼出し

DPL 中の複数の場所で使われる処理は，「手続き」として宣言しておき，繰り返し利用することができます。

「手続き」とは，一つのまとまった処理を行なうステートメントの集まり（ブロック）であり，「副プログラム」とか「サブルーチン」などと呼ばれることもあります。
手続きは，PROCEDUREステートメントで宣言して手続き名を付けます。
手続きは，CALLステートメントで呼び出されたときに実行されます。
手続きに対して「引数」を定義しておくと，呼び出すたびに異なるデータを使って処理を実行させることができます。PROCEDUREステートメント
手続きを実行した結果の値や状態をシステム変数 $$RETURN を使って呼出し側（CALLステートメントで手続きを実行した場所）に戻すことができます。RETURNステートメント

処理の流れの変更

上から下へというステートメントの実行順序を変更し，プログラム中の別の場所のステートメントを実行させます。

GOTOステートメントは，ラベルを付けた場所のステートメントに制御を移します。
CALLステートメントは，手続き（PROCEDUREステートメント）の先頭に制御を移します。
RETURNステートメントは，手続きの実行を終了し，CALLステートメントの次のステートメントに制御を戻します。
NEXTLOOPステートメントは，FOR や WHILE の繰り返しループを実行中に，その回の繰り返しを終了して次の回のループに移ります。
EXITLOOPステートメントは，FOR や WHILE の繰り返しループを実行中に，繰り返しを中断してループの外の次のステートメントに移ります。
EXITSWITCHステートメントは，SWITCHステートメントの CASEブロックを中断して SWITCHステートメントの外の次のステートメントに移ります。

他のプログラムの実行

実行ステートメントを使うと，他の DPL，スクリプト，あるいは他の Windowsアプリケーションを起動することができます。

DPLファイル，実行形式ファイル，スクリプトファイルを指定すると，それらのプログラムが起動されます。一つの DBPro で同時に複数のプログラムを起動することはできますが，ある時点で実行されているプログラムは一つだけです。実行中のプログラムが終了したり，休止状態になったときに，起動されている別のプログラムが動き出します。[ファイル]-[実行]
DPL中で別のプログラムを起動したとき，元のプログラムの実行を続けるか，新たに起動したプログラムを実行するかは，実行ステートメントで指定します。
起動した元のプログラムと起動された新たなプログラムとの間の情報の受け渡しは，グローバル変数で行なうのが一般的です。他に，ファイル内変数やカードのデータオブジェクトを利用する方法もあります。
DBPro 以外の Windowsアプリケーションを起動することもできます。Windows のスタートメニューから選ぶ [ファイル名を指定して実行] と同じ形式のコマンドラインで指定します。
起動したアプリケーションの終了を待ってから DPLの実行を続けるか，起動するだけで直ちに DPL の実行を続けるかを指定できます。
DPL から他のアプリケーションへのデータの受け渡しは，コマンドラインに書くアプリケーションごとのパラメータ，またはあらかじめ DPLで書き込んでおいたファイル（#FOPEN，#FPUTS，#PUTPROF など）を使って行ないます。

プログラムの一時停止と終了

DPLプログラムは，STOPステートメントまたは終了ステートメントで終了させます。終了ステートメントでは DPL の終了と同時に DBPro や Windows も一緒に終了させることができます。
休止ステートメントは，一時的に DPL の実行を停止させます。実行を再開させるには [ファイル]-[実行] サブメニューから停止中の DPLファイルを選びます。
待機ステートメントを使うと一定時間だけ停止させることができます。

利用者インターフェースの作り方

DPLプログラムの実行中に，利用者に対してメッセージや情報を提示したり，利用者からの入力を得る方法としては次のものがあります。

ダイアログステートメントによるメッセージの表示と利用者入力

ダイアログステートメントを使うと次の種類のダイアログを表示でき，メッセージの表示や利用者からの簡単な入力に利用できます。

了解	メッセージを表示し，確認を待ちます。[OK] ボタンが一つだけあります。
エラー	エラーを通知し，確認を待ちます。[OK] ボタンが一つだけあります。
了解取消	[OK]，[キャンセル] の二つのボタンがあります。
継続中止	[継続]，[中止] の二つのボタンがあります。
はいいいえ	[はい]，[いいえ] の二つのボタンがあります。
はいいいえ取消	[はい]，[いいえ]，[キャンセル] の三つのボタンがあります。
入力	文字列入力用のダイアログです。入力領域と [OK]，[キャンセル] の二つのボタンがあります。
パスワード	パスワード文字列入力用のダイアログです。入力領域と [OK]，[キャンセル] の二つのボタンがあります。文字が * で表示される以外は「入力」と同じです。
チェック	チェックボックスにより複数の選択肢のいくつかを選びます。選択肢と [OK]，[キャンセル] の二つのボタンがあります。
オプション	オプションボタンにより複数の選択肢から一つを選びます。選択肢と [OK]，[キャンセル] の二つのボタンがあります。
ファイル	ファイル名入力のためのダイアログです。ファイル名の入力領域と [OK]，[キャンセル] の二つのボタンがあります。
フォルダ	フォルダ名入力のためのダイアログです。フォルダ名の入力領域と [OK]，[キャンセル] の二つのボタンがあります。

画面表示用カードの利用

ダイアログステートメントで表示できる情報は限られたものです。さらに多くの情報を表示したり，好みに合った美しい表示を行なおうとする場合は画面表示用のカードを作成します。

カードを作成すれば自由な大きさ，自由なレイアウトでメッセージ等を表示できます。DPL からの情報表示専用ですので編集対象表は指定しません。カードの新規作成
カードの一部にその都度変わる情報を埋め込むときにはデータオブジェクトを置き，そこに表示したい文字列を代入します。代入ステートメント
カードにボタンを並べてそれぞれに DPLファイルなどを割り当てると，そのカードを開くだけで利用者が処理を選ぶためのメニューとして利用できます。
カードを使って利用者からのさまざまな入力を得るためには，カードを作成したうえで次に説明する対話編集機能を用います。

DBPro の対話編集機能の利用

DPLプログラムの大きな特徴の一つは，DBPro が持っている対話編集機能をプログラム中からそのまま利用できることです。

対話編集ステートメントを使うと，指定したウィンドウの対話編集モードになります。対話編集モードでは利用者が表ファイルに対して直接レコードを挿入したり，訂正したりできます。対話編集モードでは，対話操作で使うほぼすべてのコマンドが利用できます。
対話編集モードを終了するには [ファイル]-[実行]-[対話終了] を選びます。対話編集モードを終了すると，DPL の実行に戻り，対話編集ステートメントの次から実行を再開します。
対象表をもたないカードにボタンやデータオブジェクトを置いて対話編集ステートメントを使えば，ダイアログステートメントより高度な利用者インターフェースを作ることができます。
カード編集ウィンドウの対話編集では，カード手続きを宣言してカード上のボタンに対する処理を記述することができます。カード手続きとして記述した処理は，対話編集モード中の処理として実行されます。

メニューコマンドに用意されているダイアログの利用

対話操作のメニューコマンドに対応しているステートメントでは，対話操作のときに表示されるダイアログを使って利用者にパラメータを指定させることができます。

次の各ステートメントでは，パラメータで実行時指定と指定すると，対話操作で表示されるダイアログと同じものが表示されます。利用者がダイアログの各項目を設定してから [OK] ボタンを押すと，実際にステートメントが実行されます。（項目検索と項目選択は，実行時指定とは関係なく，常に対話操作のダイアログでパラメータを設定します。）

読込みステートメント
書出しステートメント
プレビューステートメント
印刷ステートメント
項目検索ステートメント
検索ステートメント（条件検索ダイアログが表示されます。）
項目選択ステートメント
選択ステートメント（条件選択ダイアログが表示されます。）
整列ステートメント
集計ステートメント
クロス集計ステートメント
置換ステートメント
併合ステートメント
表示形式ステートメント

画面表示の変更と機能制限

利用者に対する DBPro ウィンドウの見え方を変更したり，表やカードの表示を一時的に変更したりすることができます。また，利用者が不正な操作をしてしまわないように，DPL実行中は指定したメニューコマンドを無効にしたり，カードのボタンを一時的に無効にしたりできます。

ウィンドウ表示ステートメント	編集ウィンドウの表示／非表示を切り替えたり，位置や大きさを変更したりします。
表カード切替えステートメント	表からカードへ，カードから表へ，カードからカードへ，同じレコードを別のウィンドウに表示します。
表示形式ステートメント	表編集ウィンドウの表示形式を切り替えます。
表示形式登録ステートメント	画面表示や表印刷のために新たな表示形式を登録します。
項目表示順序ステートメント	表編集ウィンドウの項目表示順序を変更します。
項目固定ステートメント	指定した項目を表編集ウィンドウの左側に固定します。
項目表示属性ステートメント	表編集ウィンドウの項目の表示属性を指定します。
表示幅自動調整ステートメント	表編集ウィンドウの項目表示幅をデータの長さに合わせます。
フォント設定ステートメント	フォント番号に対するフォントの割当てを変更します。
オブジェクト属性ステートメント	カード中の一部のオブジェクトについて表示属性を変更したり，ボタンの機能を変更したりします。
シート移動ステートメント	カード編集ウィンドウで表示しているシートを切り替えます。
フォーカス移動ステートメント	カード編集ウィンドウでフォーカスを当てるオブジェクトを指定します。
カーソル移動方向ステートメント	表編集ウィンドウおよびカードの表オブジェクトでセルカーソルを横に進めるか縦に進めるかを指定します。
最新状態表示ステートメント	ウィンドウのデータを最新状態にして再表示します。
再描画ステートメント	実行中のウィンドウ再描画を抑制し，画面のちらつきを抑えます。
メニューバーステートメント	メニューバーの表示／非表示を指定します。
ツールバーステートメント	ツールバーの大きさを変えたり，非表示にしたりします。
ステータスバーステートメント	ステータスバーの表示／非表示を指定します。
ファイル名表示ステートメント	ファイル名にドライブ名やパス名を付加するか否か指定します。
図形項目描画ステートメント	カードの図形項目の描画を止めます。
中止ダイアログステートメント	中止ダイアログの表示／非表示を指定します。
機能制限ステートメント	指定したメニューコマンドを無効にします。

データベース操作機能

DPL で表ファイルのレコードを操作するときは，「カーソル」を使って対象ファイルやレコードを指定します。レコードの挿入や訂正の他に，対話編集のメニューに用意されているほぼすべてのコマンドを利用することができます。

カーソルについて

DPL中でレコードを挿入したり訂正したりするときは，「カーソル」と呼ぶ識別情報を使って対象となるウィンドウやレコードを指定します。

カーソルは，対話編集ウィンドウでの「セルカーソル」に似ており，特定のウィンドウの特定のレコードを指しています。セルカーソルと異なり，通常は特定の項目を指してはいません。
カーソルはカーソル変数に保持し，カーソル変数には単価記号 @ の後ろに通常識別子（英字，仮名，漢字，下線で始まる英仮名漢字下線数字列）を付けたカーソル変数名を付けます。カーソルを指定するときは，この @ で始まるカーソル変数名で指定します。

例：
@master_file
@work
カーソルは，次の場合に新たに割り当てられます。
- 表ファイル，ビューファイル，カードファイルを開いたとき
- 選択ステートメントなどによって新しい選択ウィンドウを開いたとき
- 集計ステートメントによって新しい集計ウィンドウを開いたとき
- クロス集計ステートメントによって新しいクロス集計ウィンドウを開いたとき
- DPL の実行の最初では，そのときアクティブであったウィンドウのセルカーソルの位置が得られます。
- セルカーソル位置ステートメントで現在のセルカーソルの位置を得られます。
カーソルが指すレコード位置は，カーソル移動ステートメント，その他のステートメントによって次々と変化します。どのように変化するかは個々のステートメントの解説を参照してください。DPL ステートメント一覧
セルカーソルはウィンドウにただ一つだけ存在しますが，DPL中のカーソルはカーソル変数に代入することによって幾つでももつことができます。

カレントカーソル

DPL実行中は，「カレントカーソル」と呼ぶ特殊なカーソルが常に一つだけ存在します。
カレントカーソルは，カーソル名 @@ で識別されます。
カーソルに関係するさまざまなステートメントにおいて，実行の結果のカーソルがカレントカーソルに与えられます。たとえば，上記の新たに割り当てられるカーソルもすべてカレントカーソルに割り当てられます（オープンステートメントの場合は指定したカーソル変数にも割り当てられます）。
カレントカーソルに割り当てられたカーソルを後で使う場合には別のカーソル変数に代入しておかなければなりません。カレントカーソルは，次のステートメントを実行したときにすぐに書き換えられる可能性があります。
パラメータとしてカーソルを必要とするステートメントでカーソル名を書かないと，そのステートメントはカレントカーソルに対して実行されます。

編集の開始と終了

データベースファイルの編集は，オープンステートメントで開始しクローズステートメントで終了します。

オープンステートメント	表編集，カード編集，ビュー編集の各ウィンドウを開きます。
クローズステートメント	ウィンドウを閉じます。選択ウィンドウや集計ウィンドウの場合はウィンドウが閉じられるだけですが，実表のウィンドウを閉じると表ファイルの編集が終了します。
保存ステートメント	編集途中の表ファイルをいったんディスクに保存し，そのまま編集を継続します。
別名保存ステートメント	そこまでの編集結果を新しい表ファイルとして保存し，そのファイルの編集を継続します。

レコードの編集

カーソル位置にレコードを挿入したり，カーソル位置のレコードを更新したりします。

カーソル移動ステートメント	カーソルを進めたり戻したりします。
ジャンプステートメント	カーソル移動ステートメントと同じです。
整列ステートメント	レコードを整列し，カーソルが進む順序を指定します。
レコード挿入ステートメント	新しいレコードを挿入します。
レコード更新ステートメント	カーソル位置のレコードの項目値を更新します。
レコード削除ステートメント	レコードを削除します。
レコード複写ステートメント	カーソル位置のレコードと同じレコードを挿入します。
レコードマークステートメント	カーソル位置のレコードにレコードマークを付けます。

探索関連の操作

条件に合うレコードを探してカーソルを移動したり，条件に合うレコードだけを集めて選択ウィンドウを開いたりします。

項目検索ステートメント	対話操作の項目検索ダイアログを使ってレコードを探します。
検索ステートメント	条件を指定してレコードを探します。
項目選択ステートメント	対話操作の項目選択ダイアログを使ってレコードを選びます。
選択ステートメント	条件を指定してレコードを選びます。
重複レコード選択ステートメント	項目値が重複するレコードを選びます。
単一化選択ステートメント	項目値が重複するレコードは一つだけ残します。

表ファイル全体に対する一括操作

レコード単位での編集とは別に，対話操作で用意されている一括編集機能が DPLステートメントとしても用意されています。これらを使うと，DPL中でカーソルを移動させながら１レコードずつ処理するよりも効率良く編集することができます。

集計ステートメント	縦集計を計算します。
クロス集計ステートメント	クロス集計表を作成します。
項目集計ステートメント	指定した項目の集計値をシステム変数に設定します。
一時項目挿入ステートメント一時項目削除ステートメント	一時的な項目を新たに作成します。
置換ステートメント	すべての項目の値を式の値で置き換えます。
再計算ステートメント	計算項目，仮想項目の値を再計算します。
併合ステートメント	トランザクションファイルの内容でマスターファイルの内容を更新します。

各種登録情報などの利用

DPL で作成するアプリケーションでは，プログラム中に多くの処理を記述するのではなく，あらかじめ表ファイルやカードファイル中にさまざまな登録情報やオブジェクトを用意しておくことが効率的で分かりやすいプログラムを作成するコツです。

対話操作で各種の登録情報を表ファイルに登録しておけば，DPL中ではそれらを指定するだけでまとまった処理を実行できますし，あらかじめ対話操作でテストしておくことで間違いも少なくなります。表：各種の登録情報
１枚の伝票内での集計，あるいは他の表を参照してのデータの取出しなどであれば，カードに式オブジェクトを配置するだけで表示／印刷できます。グループ計とカード計，#表引き
ビューを評価した結果のビュー表，あるいはクロス集計表など，高度な登録情報を設定しておけない場合は，あらかじめひな形となる表ファイルを定義しておき，そのひな形ファイルに読み込む，あるいは書き出すことによってビューやクロス集計の結果に対してもさまざまな処理ができるようになります。

エラー処理

ステートメントの実行中にエラーが発生した場合は，システム変数 $$CMDSTATE にエラーの内容を示す値が設定されます。

エラーが発生する可能性があるステートメントの後では，$$CMDSTATE の値を調べてエラーがなかったことを確認してから次のステートメントに進むようにしてください。それぞれのステートメントで $$CMDSTATE にどんな値が設定されるかは，各ステートメントの解説を参照してください。正常に終了した場合は $$CMDSTATE がゼロになります。DPL ステートメント一覧，$$CMDSTATE 一覧
重大なエラーについては $$CMDSTATE が設定されずに直ちに DPL が終了してしまいます。どんなエラーについては $$CMDSTATE に状態を設定して継続し，どんなエラーについては DPL を終了させるかは，エラーレベルステートメントで指定できます。

その他の機能

上記以外では，DPLステートメントで次のような処理が行なえます。ここまでに記述されていないステートメントについてはDPL ステートメント一覧を参照してください。

ファイル操作

データベースファイルとしてではなく，単なる Windows のファイルを操作するステートメントが用意されています。

状態取得／設定

さまざまな状態を取得したり，設定したりします。

表属性設定ステートメント
画面更新間隔ステートメント
カード計自動計算ステートメント
セル訂正開始時ステートメント
計算項目スキップステートメント
かな漢制御ステートメント

DBPro V4 の DPL ステートメントは，DBPro V3.2 までのステートメントと極力互換性を保つように改訂されましたが，次の点に関して互換性が保たれていません。これらのステートメントが使われている DPL プログラムを V4 で実行する場合には，お手数ですが対応する別のステートメントを使って書き直していただけるようにお願いいたします。これら以外の追加や変更に関しては，V3 までの DPL と互換性を保ちつつ変更されていますので特に修正する必要はありません。

V3 では印刷形式に含まれていた属性のかなりの部分が V4 では表示形式に移されました。DBPro V3.2 から V4 への変更点：印刷形式と表示形式について
これに伴ない，印刷形式登録ステートメントの相当数のパラメータが新設された表示形式登録ステートメントや項目表示属性ステートメントに移されました。印刷形式登録ステートメント：注意
項目属性ステートメントは，項目表示属性ステートメントに移行し，幾つかのパラメータも変更されました。
クイックバーステートメントは，クイックバーがツールバーに変わったことにより，ツールバーステートメントに変わりました。
ファイル変換ステートメントで DBPro から桐への変換はできなくなりました。
終了時確認ステートメントは廃止されました。DPL 中に終了時確認ステートメントがあっても何も起こりません（エラーにもなりません）。
かな漢字変換行確保ステートメントは廃止されました。DPL 中にかな漢字変換行確保ステートメントがあっても何も起こりません（エラーにもなりません）。